2026年11月6日時点の松葉貴大は、中日ドラゴンズに所属する36歳のベテラン左腕だ。2025年に先発ローテーションの柱として活躍した一方、2026年は一軍で十分な結果を残せず、シーズンの大半をファームで過ごした。
日本野球機構(NPB)の年度別成績によると、2026年の一軍成績は次のとおりだ。
- 登板:3試合
- 先発:3試合
- 勝敗:0勝1敗
- 投球回:16回
- 奪三振:9
- 防御率:5.63
前年の防御率2.72と比べると、大きく数字を落とした。特に注目すべきなのは、2025年に23試合の先発を任された投手が、翌年は一軍でわずか3試合の登板にとどまった点である。
2026年は二軍で調整する時間が長かったファームのシーズン成績を見ると、登板17試合、先発12試合、救援5試合。4勝7敗、防御率4.38、76投球回という記録だった。
| 項目 | 2026年ファーム成績 |
|---|---|
| 登板 | 17試合 |
| 先発 | 12試合 |
| 救援 | 5試合 |
| 勝利・敗戦 | 4勝7敗 |
| 投球回 | 76回 |
| 被安打 | 87 |
| 与四球 | 12 |
| 奪三振 | 41 |
| 防御率 | 4.38 |
| WHIP | 1.30 |
出典:FARM//TRACKの2026年ファーム公式戦集計。
与四球12という数字は、76イニングを投げた投手としては制球面の強みを示している。一方、被安打87、防御率4.38という結果からは、打者を抑え込む部分で苦労したこともうかがえる。
2026年10月29日の契約更改後、松葉は今季を振り返り、次のように語った。
昨年と雲泥の差の1年だった。
日刊スポーツの報道によれば、松葉は開幕ローテーション入りを逃し、一軍での初登板は交流戦までずれ込んだ。先発枠を争うベテランや若手が安定した投球を続けるなか、ポジションを奪い返せなかったという。
本人が挙げた大きな反省点は、3月のオープン戦でチャンスをつかめなかったことだった。2025年の実績があっても、翌シーズンの開幕枠が保証されるわけではない。先発投手の競争が厳しいプロ野球の現実が表れた一年だった。
2026年10月29日の契約更改で明らかになったこと2026年10月29日、松葉は契約更改に臨み、推定年俸1億円の現状維持でサインした。
2025年オフに結んだ複数年契約の2年目に入るため、2026年の成績不振によって直ちに契約が打ち切られる状況ではない。
本人は球団に対して、チームの力になれなかったことを反省し、翌年は工藤新監督の下で頑張りたいと伝えた。
また、2026年は一軍での登板がすべてビジター球場だった。バンテリンドームで投げる機会がなかったことについて、家族に申し訳なかったという気持ちも明かしている。
2027年に向けて目指すのは、再び一軍の先発ローテーションを勝ち取ることだ。契約が継続していることと、一軍で先発の座を確保できていることは別問題である。この違いを理解することが、現在の松葉を正しく評価するポイントになる。
【8月26日の二軍登板を検証】松葉貴大の5回6安打2失点は復調の兆しだったのか

2026年8月26日、中日ドラゴンズはファーム公式戦で巨人と対戦した。
この試合に先発した松葉は、5イニングを投げて6安打2失点。球数は73球で、奪三振2、与四球1という内容だった。
5回 6安打 2失点
中日対巨人・ファーム公式戦
投球数73球
奪三振2
与四球1
失点2
試合結果
中日 4-2 巨人
出典:中日ドラゴンズ公式ファーム試合結果
失点した場面と投球内容
試合の経過を振り返ると、松葉は序盤から完全に打者を抑え込んだわけではない。
- 1回:ピンチを招きながらも、2者連続三振で切り抜ける。
- 3回:皆川選手にソロ本塁打を浴びる。
- 5回:適時二塁打を許して追加点を失う。
- 5回終了:6安打2失点で降板。
3回の被本塁打と5回の適時打が失点につながったものの、大量失点には至らなかった。
中日ドラゴンズの公式試合記録でも、松葉が73球で5回を投げ、被安打6、奪三振2、与四死球1、2失点だったことが確認できる。
5回を投げ切ったことには意味があるこの登板で注目したいのは、失点数だけではなく投球数とイニング数のバランスだ。
73球で5イニングを消化したことは、先発投手として一定の効率を保っていたことを示す。一方、6安打を許しているため、相手打線に対する被打率や走者を背負った場面での対応には課題が残った。
また、奪三振は2個。三振で次々と打者を圧倒する投球ではなく、打球を打たせながらアウトを積み重ねる従来型の投球に近い。
松葉の持ち味は、必ずしも圧倒的な球速ではない。打者のタイミングを外し、球種を使い分けて打ち取る投球術だ。
そのため、5回6安打2失点という数字は、先発としてのイニング消化能力を示す一方、一軍復帰を決定づけるほどの圧倒的な結果ではなかったと評価できる。
その後の登板にも注目8月26日以降のファーム登板も確認しておきたい。
- 8月12日:7回3安打無失点、5奪三振
- 8月19日:救援登板で5回1失点
- 8月26日:先発で5回6安打2失点
- 9月2日:先発で6回6安打3失点
- 9月15日:先発で2回2安打無失点
特に8月12日の7回無失点は、シーズン中の好材料だった。一方で、8月26日以降も安定した結果を継続するには至っていない。
9月15日の登板が確認できるファームでの最後の登板となっており、その後はシーズン終了とともに翌年に向けた調整期間へ移った。
【プロフィール・経歴】松葉貴大は2012年ドラフト1位の実力派左腕
松葉貴大は1990年8月14日生まれ、兵庫県出身。2026年11月現在は36歳だ。
基本プロフィールは次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 松葉貴大 |
| 生年月日 | 1990年8月14日 |
| 年齢 | 36歳 |
| 出身地 | 兵庫県 |
| 身長 | 179cm |
| 体重 | 82kg |
| 投打 | 左投左打 |
| ポジション | 投手 |
| 背番号 | 38 |
| ドラフト | 2012年1位 |
| 出身高校 | 東洋大姫路高校 |
| 出身大学 | 大阪体育大学 |
| 所属球団 | 中日ドラゴンズ |
日本野球機構の選手情報とスポーツナビのプロフィールに基づく。
オリックスでプロ入り、中日への移籍が転機に松葉は大阪体育大学で実績を積み、2012年のドラフト会議でオリックス・バファローズから1位指名を受けた。
2013年にプロデビュー。左腕の先発投手としてキャリアをスタートさせ、2014年には8勝を挙げるなど、若い時期から一軍で経験を積んだ。
その後、2019年6月末に松葉と武田健吾を含む交換トレードが成立。松葉は中日ドラゴンズへ移籍することになった。
オリックス時代の通算成績は120試合登板、27勝39敗、防御率3.89。中日移籍後も先発を中心に登板を重ね、2025年には大きな飛躍を遂げた。
松葉貴大のキャリアと成績の転換点松葉のキャリアを振り返ると、移籍後すぐに毎年安定した成績を残したわけではない。
2020年から2022年には先発投手として登板を重ねたものの、2023年は11試合、2024年は17試合と、年間を通じた稼働には波があった。
その流れを変えたのが2025年シーズンだった。
NPBの年度別成績によると、2025年は23試合すべて先発で、145回2/3を投げ、防御率2.72を記録。13年目にして初めて規定投球回に到達した。
特に、被本塁打9、与四球37という数字は、長いイニングを投げながら大崩れを避ける投球を実現したことを示している。
【FA権行使と残留の経緯】松葉が中日を選んだ理由とは
松葉貴大のキャリアを語るうえで欠かせないのが、2025年オフのFA権行使と中日残留だ。
2025年は自身にとってキャリアハイと呼べるシーズンとなり、プロ13年目で初の規定投球回に到達。球宴にも初選出されるなど、評価を高めた。
その結果、海外FA権を行使するという選択肢が現実味を帯びた。
FA宣言から残留までの流れ| 時期 | 出来事 | ポイント |
|---|---|---|
| 2025年10月 | FA権行使を熟考 | 契約年数を重視する姿勢を示す |
| 2025年11月4日 | 海外FA権を行使 | 他球団も含めて評価を聞く機会に |
| 2025年11月22日 | 中日残留を表明 | ファン感謝イベントで発表 |
| 2025年12月3日 | 契約更改 | 推定年俸1億円の複数年契約 |
| 2026年10月29日 | 契約更改 | 現状維持の推定1億円でサイン |
2025年11月4日、松葉は海外FA権の行使を発表した。
当時、松葉が重視していたのは契約金額だけではなく、選手として何年プレーできるかという点だった。
以前から40歳まで現役を続ける目標を持っており、年齢的にも今回がFA権を行使する最後の機会になるかもしれないと考えていた。
中日球団は宣言残留を認めており、交渉を続けていた。
そして11月22日、バンテリンドームで行われたファン感謝イベントで残留を明言した。
松葉の決断を後押しした要素の一つが、ファンからの声だった。
日刊スポーツによると、FA宣言後、ショッピングモールなどでもファンから残留を願う声をかけられていたという。残留を発表した後にも、近畿地方への家族旅行中にドラゴンズファンから感謝の言葉をかけられたことを明かしている。
年俸は5000万円から1億円へ2025年12月3日の契約更改では、推定年俸が前年の5000万円から倍増し、1億円となった。
複数年契約を結んだことも大きなポイントだ。
松葉は契約更改時、40歳までプレーする目標について、結果を出さなければ実現できないと話し、毎年規定投球回を投げる気持ちで取り組む意向を示した。
2026年10月29日の契約更改では、推定年俸1億円の現状維持でサインしている。
2025年の活躍が高く評価された一方、2026年は成績面で苦しんだ。2027年は複数年契約の2年目として、再び実績を示す必要がある。
【球速アップとフォーム改良】松葉貴大の投球スタイルはどう変わる?
松葉を評価する際、単純に球速だけを見るのは適切ではない。
もともと松葉は、剛速球で打者を圧倒するタイプではなく、変化球と制球力を生かして打者を打ち取る技巧派左腕だ。
2025年のFA関連報道では、直球の球速が140キロに満たないことも紹介された。その一方、カットボール、ツーシーム、スライダーなどを使い分け、各球種の球速差を小さくすることで打者のタイミングを外す投球が特徴とされていた。
球速以上に重要なのは打者のタイミングを外す技術松葉の投球の特徴は、大きく3つに整理できる。
1. 左腕特有の投球角度
左投手という特性を生かし、右打者の内角や左打者の外角を攻める投球ができる。打者にとっては、ボールの出どころや軌道への対応が必要になる。
2. 多彩な変化球
カットボールやツーシーム、スライダーなどを組み合わせることで、打者に球種を絞らせにくくする。
3. 打たせて取る投球
奪三振数だけを追い求めるのではなく、打者のスイングや打球方向を考慮してアウトを積み重ねる。
2025年に61奪三振で145回2/3を投げたことも、松葉が三振の数だけで評価されるタイプではないことを示している。
2026年オフはフォーム改良にも着手2025年オフには全体的な球速アップに取り組んでいた松葉だが、2026年シーズン終了後にも新たな動きがあった。
2026年10月29日の中日スポーツ報道では、松葉が球速アップを目指したフォーム改良に着手したことが伝えられている。
その背景にあるのが、工藤公康新監督の考え方だ。松葉は工藤監督について、アマチュア時代から参考にしてきた同じ左腕として、就任をうれしく感じていると話している。
工藤監督の下で、これまでの投球スタイルを維持するだけでなく、さらなる進化を目指すことになる。
ここで大切なのは、球速アップそのものを目的にしすぎないことだ。
松葉の強みは、長年積み重ねてきた制球力や変化球の使い分けにある。球速を上げる取り組みが、従来の投球バランスや制球力を損なわずに成果につながるかどうかが注目点になる。
2027年の春季キャンプやオープン戦では、次の部分を確認したい。
- 直球の球速と球威が改善しているか
- 変化球とのコンビネーションが維持されているか
- 四球を増やさずに打者を抑えられているか
- 5~6イニングを安定して投げられるか
この4点が、先発復帰を判断する重要な材料になる。
【プロの結論】松葉貴大は2027年に先発ローテーションへ戻れるのか
2026年の松葉を評価するなら、2025年の実績と2026年の不振を切り離して考えるべきではない。
2025年には防御率2.72、145回2/3という優れた成績を残し、規定投球回に到達した。FA権を行使したうえで残留を決め、複数年契約を獲得したことからも、球団がその実績を高く評価していたことが分かる。
一方、2026年は一軍3試合、防御率5.63。ファームでも防御率4.38にとどまった。
つまり、現状は過去の実績だけで先発枠を確保できる段階ではない。
2027年の復活を左右する3つの条件第一に、オープン戦で結果を残すこと。
松葉自身が2026年の反省点として挙げたのが、3月のオープン戦でチャンスをつかめなかったことだった。
次のシーズンでは、開幕前の実戦で首脳陣に起用したいと思わせる投球が必要になる。
第二に、フォーム改良と制球力を両立すること。
球速アップは武器を増やすための取り組みだが、松葉の持ち味である変化球の精度や制球力を維持できなければ意味がない。
第三に、年間を通じて投げ続けられること。
松葉が目標に掲げるのは40歳までの現役生活だ。そのためには、一時的に好投するだけでなく、年間を通じてローテーションを守れる体力と安定感が求められる。
2025年に達成した規定投球回は、その目標に向けた大きな実績だった。
今後の松葉を評価するときの判断基準| 評価ポイント | 好材料となる状態 | 注意したい状態 |
|---|---|---|
| 球速 | 直球の球威が向上 | 球速が上がらず打ち込まれる |
| 制球 | 四球を抑えて試合を作る | 走者をためる投球が続く |
| 変化球 | 複数球種を効果的に使う | 配球を読まれやすくなる |
| スタミナ | 6回前後を安定して投げる | 早い回での降板が続く |
| 実戦結果 | オープン戦で先発枠を獲得 | ファーム調整が長期化する |
松葉は36歳という年齢を迎えたが、2025年に規定投球回へ到達した実績がある。2026年の不振だけを理由に、先発投手としての能力を完全に失ったと判断するのは早い。
ただし、2027年は37歳のシーズン。若手投手との競争を勝ち抜くためには、これまでの経験に加えて、新しい投球スタイルを実戦で示す必要がある。
【中日松葉に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:松葉貴大は2026年現在、中日ドラゴンズに所属していますか?
A1:はい。2026年11月現在も中日ドラゴンズに所属しています。2025年オフにFA権を行使して残留し、複数年契約を結んでいます。2026年10月29日の契約更改でも現状維持の推定年俸1億円でサインしました。
Q2:松葉貴大の2026年8月26日の二軍登板成績は?
A2:巨人とのファーム公式戦に先発し、5回6安打2失点でした。投球数73球、奪三振2、与四球1という内容です。試合は中日が4対2で勝利しました。
Q3:松葉貴大の2025年の成績はどれくらい良かった?
A3:23試合に先発して7勝11敗、防御率2.72を記録しました。投球回は145回2/3で、プロ13年目にして初めて規定投球回に到達。オールスターにも初選出されました。
Q4:松葉貴大はFAで他球団に移籍したのですか?
A4:いいえ。2025年11月に海外FA権を行使しましたが、同月22日に中日への残留を表明しました。その後、推定年俸1億円の複数年契約を結んでいます。
Q5:松葉貴大の身長や投打は?
A5:身長179cm、体重82kg。左投左打の投手です。1990年8月14日生まれで、2026年11月現在36歳です。
Q6:松葉貴大は2027年に復活できそうですか?
A6:2027年の一軍先発復帰は十分に目指せる目標ですが、確約されたものではありません。球速アップを目指すフォーム改良、オープン戦での結果、制球力とスタミナの維持が重要になります。
中日ドラゴンズの松葉貴大は、2025年に23試合先発、防御率2.72、初の規定投球回到達というキャリアの大きな成果を残した。
FA権を行使した後も中日に残留し、推定年俸1億円の複数年契約を獲得。チームへの愛着と、長く現役を続けたいという目標を持つベテラン左腕だ。
しかし2026年は一軍3試合、0勝1敗、防御率5.63と苦戦。8月26日の二軍登板でも5回6安打2失点という結果に終わり、年間を通して一軍の先発枠を確保できなかった。
10月29日の契約更改では現状維持の1億円でサインし、工藤新監督の下での巻き返しを宣言。球速アップを目指すフォーム改良にも取り組み始めている。
松葉の2027年最大のテーマは、経験豊富な技巧派左腕としての強みを残しながら、もう一段階進化できるかどうかだ。
2025年の実績は確かなもの。次はその実績を再現し、若手との競争を勝ち抜いてバンテリンドームのマウンドに戻れるか。36歳のベテラン左腕が迎える次のシーズンに注目したい。