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精製塩とは何か?純度99.5%の基準・製造工程・健康への影響を徹底解説【2026年最新】

神崎 雪穂 神崎 雪穂 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
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スーパーや食品売り場で見かける「精製塩」。食卓塩や天然塩、岩塩などと何が違うのか、また「精製された塩は体に悪い」「ミネラルがほとんど含まれていない」といった話は本当なのか、疑問に感じる人も多いのではないだろうか。

精製塩とは、塩化ナトリウムを高純度にした食用塩のことだ。文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、公益財団法人塩事業センターの品質規格を基に、塩化ナトリウム含有量99.5%以上のものとして説明されている。家庭用には固まりにくくするための炭酸マグネシウムを加えた製品もある。

ただし、精製塩と天然由来の原料を使った塩は、必ずしも対立するものではない。実際に、天日塩を水に溶かして不純物を取り除き、再結晶化させて作る精製塩も存在する。2026年現在の公的資料と製造元の品質情報を基に、定義から製造方法、ミネラル、健康への影響、商品の選び方まで整理する。

【基本知識】精製塩とは?塩化ナトリウム99.5%以上という基準の意味

精製塩とは

精製塩とは、原料となる塩から不純物やほかの塩類などを取り除き、塩化ナトリウムの純度を高めた食用塩である。

食塩の主成分である塩化ナトリウム(NaCl)は、ナトリウムと塩素から構成される無機化合物だ。精製塩は、この成分の割合を高めることで、塩味が比較的均一で、粒子の状態も調整しやすい製品になっている。

塩化ナトリウム99.5%以上はどこが定めた基準?

精製塩の純度を理解するうえで重要なのが、文部科学省の食品成分表と塩事業センターの品質規格である。

文部科学省の食品成分データベースでは、精製塩は食品番号17014として「調味料及び香辛料類」の中に収載されている。英語表記は「refined salt, sodium chloride ≥99.5%, containing magnesium carbonate」で、炭酸マグネシウムを含む家庭用の精製塩として分類されている。

同資料の備考には、塩事業センターの品質規格において塩化ナトリウム99.5%以上と定められていることが記載されている。

ここで注意したいのは、99.5%という数値が食用塩すべてに共通する法律上の最低基準ではなく、塩事業センターの精製塩の品質規格に基づく数値だという点だ。

精製塩の主な特徴
  • 高純度:塩化ナトリウム含有量99.5%以上。
  • 味わい:比較的クセの少ない、均一な塩味。
  • 粒子:粒度が調整され、扱いやすい製品が多い。
  • 水分:乾燥工程によって水分を減らしている。
  • 添加物:家庭用には固結防止用の炭酸マグネシウムを加える製品がある。

なお、精製塩という名称だけで、すべての製品が同じ原材料や製造方法を採用しているとは限らない。原料の産地や工程、添加物の有無は個々の商品表示で確認する必要がある。

【製造工程】精製塩はどうやって作られる?原材料と仕組みを解説

精製塩の製造方法を知ると、「化学的に人工合成された塩」というイメージが正確ではないことが分かる。

公益財団法人塩事業センターが販売する精製塩1kgの製品情報では、メキシコ産の天日塩を原料とし、溶解・立釜・乾燥・混合という工程で製造している。

工程1:天日塩を水に溶かす

最初に、原料となる天日塩を水に溶かして濃い塩水を作る。天日塩は、メキシコなどの塩田で海水を太陽熱と風によって蒸発させ、結晶化した塩である。

これを再び水に溶かすことで、砂などの不純物を分離しやすくする。

工程2:立釜で煮詰めて再結晶化する

続いて、濃縮した塩水を立釜と呼ばれる密閉式の釜で煮詰める。水分を蒸発させることで、塩化ナトリウムの結晶を取り出す仕組みだ。

原料塩をいったん溶解し、再び結晶化させることが精製工程の要点になる。

工程3:乾燥させる

取り出した塩の結晶を乾燥させる。水分を減らすことで、保存や計量、調理時の取り扱いがしやすくなる。

工程4:炭酸マグネシウムを混合する

家庭用の精製塩では、最後に炭酸マグネシウムを混合する製品がある。これは塩の粒子同士が固まるのを防ぎ、さらさらとした状態を保ちやすくするためだ。

一方、文部科学省の成分表では、精製塩には炭酸マグネシウムを添加した家庭用と、添加していない業務用があると説明されている。

つまり、精製塩の製造は、天然由来の塩を原料として不純物を取り除き、結晶を整える工程であり、塩化ナトリウムを化学反応で一から合成することとは異なる。

【徹底比較】精製塩・食塩・並塩・天然塩・天日塩・岩塩の違い

塩の種類を調べる際に混乱しやすいのが、それぞれの名称が示している内容の違いだ。

精製塩、食塩、並塩は主に塩化ナトリウムの含有量や品質規格に関係する分類である。一方、天日塩や岩塩は、原料や採取・製造方法に関係する名称だ。

食塩・並塩・精製塩の純度を比較

文部科学省の日本食品標準成分表2020年版(八訂)の解説では、塩事業センターや日本塩工業会などの品質規格を基に、次のように整理されている。

種類 塩化ナトリウム含有量 主な特徴
精製塩 99.5%以上 高純度で、家庭用には炭酸マグネシウムを加える製品もある
食塩 99%以上 比較的純度が高く、クセの少ない塩味
並塩 95%以上 ほかの塩類などを比較的多く含み、粗塩に相当するものもある

この数値は、同資料に記載された品質規格の説明であり、すべての市販品の実測値を示すものではない。

精製塩と天然塩の違い

精製塩と天然塩という言葉は、よく比較される。しかし、実は「天然塩」は、塩の品質を統一的に定めた正式な分類名ではない。

食用塩公正取引協議会の表示ルールでは、「天然塩」「自然塩」「自然海塩」などの表現は使用できない。消費者が商品を選ぶときは、原材料や製法、産地、成分を確認することが基本になる。

また、精製塩だからといって原料が人工的なものとは限らない。実際に、天日塩を原料にして精製塩を製造する商品がある。

天日塩と岩塩の違い

天日塩は、海水を塩田に引き込み、太陽熱と風の力で水分を蒸発させて作る塩だ。メキシコやオーストラリアなどが主要な生産地として知られている。

岩塩は、太古の海水が地殻変動などによって陸地に閉じ込められ、長い年月をかけて結晶化したもの。採掘した岩塩を砕いて製品化する方法や、水に溶かして再結晶化する方法がある。

岩塩は結晶化の過程で周囲の成分を取り込むことがあり、ピンク色や白色など、さまざまな色の商品が流通している。

ただし、色が付いているからといって、必ずしもミネラルが豊富で健康効果が高いという意味にはならない。

それぞれの塩が向いている使い方
  • 精製塩:クセの少ない塩味を求める日常の調理や、正確な計量が必要な料理。
  • 食塩:下ごしらえ、味付け、漬物など幅広い用途。
  • 並塩:漬物や加工食品など、粒の状態や成分が用途に合う場合。
  • 天日塩:原料や製法に特徴のある塩を選びたい場合。
  • 岩塩:産地や結晶の粒度、風味の違いを料理に取り入れたい場合。

塩の種類を選ぶ際は、名称だけで優劣を決めるのではなく、原材料・製法・成分・用途を組み合わせて考えることが大切だ。

【ミネラルと添加物】精製塩に含まれるマグネシウムと炭酸マグネシウムの正体

精製塩についてよくある疑問が、「ミネラルが含まれていないのではないか」「炭酸マグネシウムは体に悪くないのか」という点だ。

この疑問を理解するには、天然由来のミネラルと、製造工程で加えられる炭酸マグネシウムを区別する必要がある。

精製塩のミネラル含有量はどのくらい?

文部科学省の食品成分データベースに掲載されている精製塩(家庭用)の成分値は、可食部100g当たり次のようになっている。

  • ナトリウム:39,000mg
  • マグネシウム:87mg
  • カリウム:2mg
  • カルシウム:0mg
  • 食塩相当量:99.6g

この成分値で注目したいのは、マグネシウムが87mg含まれていることだ。

精製塩はミネラルを完全に含まないわけではない。ただし、この食品成分表の精製塩は炭酸マグネシウムを含む家庭用製品として収載されている。そのため、マグネシウムの数値を、そのまま海水由来の天然ミネラルが豊富に残っている証拠として解釈することはできない。

また、100g当たり87mgという数値を見てミネラル補給に適していると考えるのも適切ではない。塩は大量に摂取する食品ではなく、ナトリウムの過剰摂取を避けることが優先される。

炭酸マグネシウムはなぜ添加される?

炭酸マグネシウムは、マグネシウムと炭酸イオンから構成される無機化合物だ。

精製塩に使用する主な目的は、固結防止である。湿気などによって塩の粒子がまとまり、固まってしまうのを抑えるために配合される。

塩事業センターの精製塩1kgの製品情報では、原材料名は「天日塩(メキシコ)/炭酸マグネシウム」と表示され、塩基性炭酸マグネシウムの品質規格は0.3%とされている。

つまり、炭酸マグネシウムは、精製塩をさらさらと使いやすい状態にするための成分であり、ミネラル補給を目的に大量添加するものではない。

炭酸マグネシウム入りの精製塩は避けるべき?

炭酸マグネシウムという名称だけを理由に、製品を危険と判断する必要はない。実際に、塩事業センターの家庭用精製塩にも使用されている。

添加物を避けたい場合は、原材料表示を確認し、炭酸マグネシウムが含まれていない商品を選べばよい。なお、同センターの成分表に関する説明では、精製塩には炭酸マグネシウム添加の家庭用と無添加の業務用がある。

家庭で使用する際は、さらさらした扱いやすさを優先するのか、添加物を含まないシンプルな原材料を優先するのか、自分の基準に合わせて選択するとよい。

【健康への影響】精製塩は体に悪い?高血圧やミネラル不足との関係

精製塩は純度が高いから体に悪い、天然由来の塩なら健康に良いという考え方には注意が必要だ。

健康面で重要なのは、塩のブランドや製造方法だけではなく、摂取するナトリウムの総量である。

精製塩が健康に悪いといわれる理由

精製塩は塩化ナトリウムの割合が高いため、同じ重量で比較すると、塩化ナトリウムの割合が低い塩よりもナトリウムを多く摂取することになる。

ナトリウムは体液の浸透圧を調整したり、神経や筋肉の働きを支えたりする必須ミネラルだ。一方で、過剰に摂取すると血圧の上昇につながり、高血圧や循環器疾患などのリスクを高めることが知られている。

これは精製塩に特有の問題ではない。岩塩や天日塩なども、主成分が塩化ナトリウムである以上、摂取量には注意が必要だ。

2025年版の食事摂取基準における食塩摂取目標量

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の食塩相当量の目標量を次のように設定している。

  • 成人男性:1日7.5g未満
  • 成人女性:1日6.5g未満
  • 高血圧・慢性腎臓病の重症化予防:男女とも1日6.0g未満

農林水産省が紹介する令和5年国民健康・栄養調査の結果では、日本人の食塩摂取量の平均は1日9.8gだった。成人男性は10.7g、女性は9.1gで、いずれも一般成人の目標量を上回っている。

こうした数値を見ると、精製塩か天然由来の塩かを気にする前に、毎日の食塩摂取量を把握することが大切だと分かる。

天然塩なら健康に良いというのは本当?

天日塩や岩塩などには、製法や原料によってマグネシウム、カルシウム、カリウムなどの成分が残る場合がある。

しかし、ミネラルが含まれていることと、健康上の優位性があることは別の話だ。塩に含まれるミネラル量は商品によって異なり、通常の食事で必要な栄養素を補えるほど含まれているとは限らない。

特に、ミネラルを摂取する目的で塩の使用量を増やすのは望ましくない。野菜、豆類、海藻、魚介類など、さまざまな食品から栄養素を摂取することが基本になる。

なお、腎臓病などでカリウムの摂取制限を受けている人は、塩化カリウムを使用した減塩塩を自己判断で使わず、医師や管理栄養士に相談したい。

【見分け方と選び方】精製塩のパッケージ表示で確認したい5つのポイント

精製塩を購入するときは、パッケージの表面にある商品名だけで判断せず、裏面の一括表示や製造方法を見ることが大切だ。

1.原材料名を確認する

食用塩公正取引協議会の公正競争規約では、原材料名や添加物などの表示についてルールを定めている。

原材料として表示される代表的な名称は、海水、海塩、岩塩、湖塩、温泉水などだ。国内で製造された商品では、原料原産地も括弧書きで確認できる。

例えば「天日塩(メキシコ)」と記載されていれば、メキシコ産の天日塩を原料としていることが分かる。

2.炭酸マグネシウムの有無を確認する

家庭用の精製塩には、炭酸マグネシウムを添加している商品がある。

添加物を含まない商品を希望する場合は、原材料名や添加物欄を確認しよう。表示上、原材料と添加物は区分して記載される。

3.製造方法を確認する

食用塩公正取引協議会では、食用塩の製造方法についても表示ルールを設けている。

主な工程用語には、次のようなものがある。

  • 溶解:原料の塩を水に溶かす。
  • イオン膜:イオン交換膜を利用して海水から濃い塩水を作る。
  • 立釜:濃い塩水を煮詰めて結晶化させる。
  • 乾燥:塩の水分を減らす。
  • 混合:必要な成分を加えて品質を整える。

製造工程を確認すれば、原料の塩をそのまま包装した商品なのか、一度溶かして再結晶化した商品なのかを判断しやすくなる。

4.原産地と原産国を確認する

原料の産地と、最終製品を製造・加工した国は必ずしも同じではない。

例えば、メキシコ産の天日塩を日本に輸入し、日本国内で溶解・再結晶化して製品化するケースがある。この場合、原料原産地と製造・加工の場所を分けて考える必要がある。

5.用途に合わせて選ぶ

塩を選ぶときは、料理の目的に合わせると失敗しにくい。

  • 毎日の料理:価格や使いやすさ、塩味の均一さを重視するなら精製塩や食塩。
  • 漬物・下ごしらえ:粒度や溶け方、製品の用途表示を確認する。
  • 素材の味を楽しむ料理:産地や製法、ミネラル組成の異なる塩を使い分ける。
  • 減塩を意識した食生活:塩の種類を変えるだけでなく、実際の食塩相当量と使用量を確認する。

精製塩は価格や扱いやすさを重視する人に適している。一方、原料の産地や製法、風味の違いを楽しみたい人は、天日塩や岩塩なども比較するとよい。

なお、精製塩を選ぶこと自体が健康上の失敗につながるわけではない。自分の食生活や調理目的に合う商品を選ぶことが重要だ。

【よくある質問】精製塩とは何かに関するFAQ

Q1:精製塩と普通の食塩は同じものですか?
A1:どちらも主成分は塩化ナトリウムだが、品質規格上の含有量が異なる。塩事業センターの規格では、精製塩は99.5%以上、食塩は99%以上とされている。

Q2:精製塩は化学的に作られた人工の塩ですか?
A2:化学合成した塩という意味ではない。天日塩や海水由来の塩を水に溶かし、不純物を取り除いて再結晶化する製法がある。

Q3:精製塩にはミネラルがまったく含まれていないのですか?
A3:まったく含まれないわけではない。文部科学省の成分表に掲載された家庭用精製塩には、100g当たりマグネシウム87mgが含まれている。ただし、炭酸マグネシウムを含む製品の成分値であり、天然由来のミネラルが豊富という意味ではない。

Q4:精製塩に含まれる炭酸マグネシウムは危険ですか?
A4:家庭用精製塩では、塩が固まるのを防ぐ目的で使用される。炭酸マグネシウムが表示されていることだけを理由に、製品を危険と判断する必要はない。

Q5:精製塩と岩塩ではどちらが健康に良いですか?
A5:一概にどちらが健康に良いとはいえない。どちらも塩化ナトリウムを含み、健康面では摂取するナトリウムの量が重要になる。

Q6:精製塩の原材料は何ですか?
A6:商品によって異なる。塩事業センターの精製塩1kgでは、メキシコ産の天日塩を原料とし、炭酸マグネシウムを添加している。

Q7:精製塩と天日塩は同じものですか?
A7:同じ分類ではない。天日塩は太陽熱と風で海水を蒸発させて作る塩であり、精製塩は高純度に精製した塩を指す。天日塩を原料にして精製塩を作ることもある。

精製塩とは、塩化ナトリウムを高純度にした食用塩であり、塩事業センターの品質規格では99.5%以上と定められている。

製造工程では、天日塩などの原料を水に溶かし、不純物を取り除いた後、立釜で煮詰めて再結晶化する方法が用いられる。家庭用製品には、固結防止を目的として炭酸マグネシウムを加えるものもある。

食塩や並塩との違いは主に塩化ナトリウムの含有量にあり、天日塩や岩塩との違いは原料や製法にある。これらは異なる観点の分類であり、精製塩だから人工的、天日塩だから必ず健康的という単純な関係ではない。

健康面で忘れてはならないのは、塩の種類にかかわらず、ナトリウムを過剰に摂取しないことだ。2025年版の日本人の食事摂取基準でも、成人男性は1日7.5g未満、女性は6.5g未満という食塩相当量の目標が示されている。

2026年現在、精製塩を選ぶ際に確認したいのは、次の3点だ。

  • 品質:塩化ナトリウムの含有量や成分規格。
  • 製造方法:原料の産地、溶解・再結晶化などの工程。
  • 健康面:塩の種類だけで判断せず、日々の食塩摂取量を管理すること。

精製塩は、手頃な価格で安定した塩味を得られる、日常使いに便利な食用塩だ。天然由来の塩と優劣を決めるのではなく、成分や製造工程を理解し、料理や食生活に合ったものを選ぶことが、納得できる塩選びにつながる。

参照した公的・公式資料:

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デジタルマーケター 神崎 雪穂
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調理師免許を持つフードライター。栄養価は公的食品データベース、調理法はメーカー公式表記で裏取りし、旬は市場入荷記録を参照します。

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