「どげんかせんといかん」とは、「どうにかしなければならない」「何とかしなければいけない」という意味を持つ九州地方の方言表現です。2007年、宮崎県知事に就任した東国原英夫氏が掲げた「宮崎をどげんかせんといかん」という言葉は、全国的な注目を集め、同年のユーキャン新語・流行語大賞で年間大賞に選ばれました。
そして2026年、この言葉が再び政治の舞台に登場しています。東国原氏は2026年4月9日、次期宮崎県知事選挙への出馬を正式表明し、「どげんかせんといかんリターンズ」というキャッチフレーズにも言及しました。2027年1月に任期満了を迎える知事選ですが、実際の投票日は2026年12月27日です。言葉の意味や薩隅方言としての背景から、東国原氏の再挑戦、河野俊嗣氏・右松隆央氏との選挙戦まで、2026年11月6日時点の情報を整理します。
【意味をわかりやすく解説】「どげんかせんといかん」は何を意味する?

「どげんかせんといかん」は、標準語に置き換えると「どうにかしないといけない」「何とかしなければならない」という意味です。
単に困っている状況を説明するだけではなく、問題を解決しなければならないという強い意志や切迫感を含んでいます。
言葉を分解すると意味が理解しやすいそれぞれの表現を標準語に置き換えると、次のようになります。
- どげんか: どうにか、何とか
- せんと: しないと
- いかん: いけない、駄目だ
つまり、「どげんかせんといかん」は「どうにかしないといけない」という意味になります。
「どげんか」という部分が、この言葉を特徴づける要点です。
日常会話での使い方実際の会話では、仕事や生活上の問題など、改善が必要な場面で使えます。
例1:仕事の問題を解決したいとき
「このままでは会社が大変なことになる。どげんかせんといかん」
標準語では「このままでは会社が大変なことになる。何とかしなければならない」という意味です。
例2:地域の課題について話すとき
「若い人が少なくなってきた。地域の将来をどげんかせんといかん」
人口減少に対する危機感と、改善に向けた決意が表れています。
例3:身近な困りごと
「家の雨漏りをどげんかせんといかん」
「家の雨漏りを何とかしないといけない」という意味です。
このように、政治的な演説だけでなく、日常生活のさまざまな場面にも応用できます。
ただし、方言特有の響きがあるため、全国的なビジネス文書や改まった文章では「何とかしなければならない」と言い換えるほうが自然です。
【由来と方言の正体】都城の言葉は宮崎弁とどう違う?
「どげんかせんといかん」は、単純に宮崎県全域で使われている共通の宮崎弁というわけではありません。
言語学的に見ると、東国原氏の出身地である宮崎県都城市の言葉には、薩隅方言の特徴が色濃く残っています。
薩隅方言とは?薩隅方言(さつぐうほうげん)は、鹿児島県の薩摩・大隅地方を中心に、歴史的に薩摩の影響を受けた地域で話されてきた方言グループです。
宮崎県南西部の諸県地域にも、その特徴が見られます。
この背景には、宮崎県南西部がかつて島津氏の支配地域だったという歴史があります。
現在の行政区分では宮崎県に属していても、言葉の歴史をたどると鹿児島との深いつながりが見えてきます。
東国原氏が都城市出身であることは、この言葉の特徴を理解するうえで重要です。
「どげん」と「どんげ」の違い宮崎県内では、地域によって「どう」「どんな」に相当する言葉の表現が異なります。
| 比較項目 | 薩隅方言系 | 日向方言系 |
|---|---|---|
| こんな | コゲン | コンゲ |
| そんな | ソゲン | ソンゲ |
| どんな | ドゲン | ドンゲ |
| 代表的な地域 | 都城市などの諸県地域 | 宮崎県の中部・北部など |
| 言葉の特徴 | 鹿児島方面との歴史的なつながり | 日向地方に根差した表現 |
松永修氏による宮崎県東諸県・西諸県地方の言語研究でも、薩隅方言と日向方言の違いが分析されています。
同研究では、野尻町と綾町を比較し、「コゲン」「ソゲン」「ドゲン」の使用回答が野尻町で95.7%だった一方、綾町では13.2%だったことが報告されています。
調査対象や人数が限られた研究ではありますが、同じ宮崎県内でも地域によって言葉の使われ方が大きく異なることを示すデータです。
「どげんか」の語源は?鹿児島弁ネット辞典では、「どげんか」の意味を「どうにか」と説明し、その語源について関西系の言葉「どないか」が訛ったものとしています。
ただし、これは辞典に掲載された語源説明であり、東国原氏のキャッチフレーズそのものが関西から伝わったという意味ではありません。
言語学的に重要なのは、「どげん」という形が薩隅方言に存在し、東国原氏自身の母方言と一致している点です。
つまり、東国原氏が全国向けに作った造語ではなく、地元で使われてきた自然な方言表現だったのです。
【2007年の宮崎県知事選と流行語大賞】なぜ全国的に有名になった?
「どげんかせんといかん」が全国的な知名度を獲得した最大のきっかけは、2007年の宮崎県知事選挙です。
当時の宮崎県政は官製談合事件などで混乱していました。東国原氏は、そうした県政を立て直す必要性を訴え、2007年1月の知事選挙で初当選。第52代宮崎県知事に就任しました。
県政改革を象徴するキャッチフレーズ東国原氏が掲げたのは、「宮崎をどげんかせんといかん」というメッセージでした。
方言を使ったことで、政治家の一般的な選挙演説とは異なる親しみやすさが生まれました。
加えて、難しい政策用語を使わず、宮崎県が抱える課題を短い言葉で表現したことも、全国的な浸透につながりました。
国立国語研究所の「日本語ブックレット2007」でも、2007年2月の東国原知事による県議会での所信表明演説で述べられ、その後、メディアで繰り返し取り上げられたことが紹介されています。
2007年12月3日、ユーキャン新語・流行語大賞を受賞2007年12月3日、「現代用語の基礎知識」選・ユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞が発表されました。
年間大賞に選ばれたのは、次の2つです。
- (宮崎を)どげんかせんといかん:東国原英夫氏
- ハニカミ王子:石川遼氏
東国原氏は受賞時、方言が全国的に認められたことへの喜びを示しました。
方言がこうやって市民権を得たことに感謝したい。
日刊スポーツの2007年12月3日の報道では、この言葉について、地方の代表としての訴えが人々の心に届いたことが受賞理由として紹介されています。
言葉が宮崎県にもたらした影響東国原氏は知事就任後、自らを宮崎県のセールスマンとして位置づけ、県産品や観光資源のPRに力を入れました。
特に宮崎マンゴーなどの県産品が全国的に注目されたことは、当時の宮崎ブームを象徴する出来事です。
ここで注目したいのは、方言が単なる地域文化の紹介にとどまらず、自治体のブランド戦略にも活用された点です。
「どげんかせんといかん」は、宮崎県の知名度を高めるための象徴的な言葉になりました。
【東国原英夫の現在2026】「どげんかせんといかんリターンズ」の真相
2026年の東国原英夫氏は、政治評論家・タレントなどとして活動する一方、宮崎県知事への再挑戦を進めています。
1957年9月16日生まれで、2026年11月現在は69歳。宮崎県都城市出身です。
東国原英夫氏の主な経歴- 1980年:ビートたけし氏の弟子「そのまんま東」として活動開始
- 2007年1月:宮崎県知事に初当選
- 2011年1月:宮崎県知事を1期で退任
- 2011年4月:東京都知事選挙に出馬、落選
- 2012年12月:日本維新の会から衆議院議員に初当選
- 2013年12月:衆議院議員を辞職
- 2022年12月:宮崎県知事選挙に再出馬、現職の河野俊嗣氏に敗れる
- 2026年4月9日:次期宮崎県知事選挙への出馬を正式表明
2022年の知事選では、河野氏に約2万3,000票差で敗れました。2026年の挑戦は、2007年の初当選、2022年の再挑戦に続く3度目の宮崎県知事選への挑戦となります。
2026年4月9日、再出馬を正式表明東国原氏は2026年4月9日、宮崎市内で記者会見を開き、次期宮崎県知事選への出馬を正式に表明しました。
出馬理由として挙げたのは、宮崎県の経済や地域の衰退に対する危機感です。
会見では「宮崎の衰微衰退が止まらない」「ここでゲームチェンジャーが必要ではないか」という趣旨を語りました。
そして、2007年に全国的な流行語となったフレーズを再び持ち出します。
どげんかせんといかん…リターンズですね。
この発言が、2026年の「どげんかせんといかんリターンズ」の出発点です。
2026年9月には公式政策サイトを公開2026年9月1日には、東国原氏の知事選に向けた公式サイトが公開されました。
政策の中心に掲げているのは、宮崎の経済力を高め、地域の活力を取り戻すことです。
特に注目される目標が、宮崎県の域内総生産を10年で2倍にするという構想です。
具体的な政策には次のような内容があります。
- 働く人の所得・賃金の引き上げ
- 農林水産業における生産者の手取り増加
- スポーツ観光からスポーツエンターテインメントへの展開
- 製造業を宮崎県の第三の基幹産業として強化
- 先端企業の誘致と地場産業の育成
- 少子高齢化・人口減少への対策
- 医療・福祉・介護の充実
域内総生産の2倍という数字は、あくまで掲げられた将来目標です。実現した成果ではありません。
2026年10月21日には政治団体からの支援も発表さらに10月21日には、泉房穂参院議員と実業家の西村博之氏(ひろゆき氏)が関わる政治団体「ひろゆき&いずみ新党(仮)」が、宮崎県知事選で東国原氏を支援すると発表しました。
これは東国原氏の再挑戦をめぐる新たな政治的動きです。
ただし、政治団体による支援表明と、選挙での当選は別の問題です。最終的な評価は、県民による投票で決まります。
【河野俊嗣・右松隆央との関係】2026年宮崎県知事選の構図
今回の宮崎県知事選挙では、東国原氏だけでなく、現職の河野俊嗣氏と元宮崎県議会議員の右松隆央氏も出馬を表明しています。
それぞれ経歴や政治的な立場が異なり、宮崎県の将来像をめぐる争いになっています。
3人の候補者と関係性を整理| 人物 | 主な経歴・立場 | 2026年知事選での動き |
|---|---|---|
| 東国原英夫 | 元宮崎県知事。2007年の流行語大賞受賞者 | 2026年4月9日に出馬表明。経済力の向上や製造業振興を訴える |
| 河野俊嗣 | 現職宮崎県知事。東国原県政時代には副知事を務めた | 2026年2月27日に5期目を目指す出馬を表明 |
| 右松隆央 | 元宮崎県議会議員。県議を3期12年務めた | 2026年3月5日に出馬表明。「県民支援と経済成長」を掲げる |
河野俊嗣氏は2011年1月21日に宮崎県知事へ初就任し、2026年現在は4期目を務めています。
東京大学法学部を卒業後、自治省に入省。宮崎県総務部長や副知事などを経験した行政実務に詳しい人物です。
東国原氏が知事を務めていた時期には副知事として県政に携わっていました。
2026年2月27日に5期目への出馬を表明し、現職としてこれまでの政策の実行力を強調しています。
右松隆央氏は県民支援と経済成長を掲げる右松隆央氏は宮崎市出身で、2011年から2023年まで宮崎県議会議員を3期12年務めました。
県議会副議長や議会運営委員会委員長などを歴任しています。
2026年3月5日に知事選への出馬を表明し、「県民支援と経済成長」を掲げました。
独自の政策集「右松31策」では、農業、観光、医療、教育、行政改革などを幅広く取り上げています。
投票日は2026年12月27日ここで重要なのが、選挙の日程です。
今回の選挙は2027年1月20日の任期満了に伴うものですが、宮崎県選挙管理委員会が正式に決定した日程は次のとおりです。
- 告示日:2026年12月10日
- 投票日:2026年12月27日
- 任期満了日:2027年1月20日
そのため、「2027年宮崎県知事選」と呼ばれることがあっても、実際の投票は2026年12月に行われます。
2026年11月6日現在、選挙結果はまだ決まっていません。
【プロの結論】「どげんかせんといかん」の復活で注目すべきこと
「どげんかせんといかん」が2026年に再び注目されている理由は、単なる懐かしい流行語の復活ではありません。
2007年当時、この言葉は県政改革と宮崎県の知名度向上を象徴するメッセージでした。
一方、2026年の再登場では、人口減少、地域経済、産業構造の転換といった、より具体的な課題が前面に出ています。
東国原氏が掲げる域内総生産の10年で2倍という目標も、その一例です。
キャッチフレーズと政策は分けて評価する選挙を見極める際には、次の4点が判断材料になります。
1. 目標が具体的か: 経済成長や所得向上について、達成時期と数値が示されているか。
2. 実現方法が明確か: 企業誘致、産業育成、公共投資など、実際の施策が説明されているか。
3. 財源と実行体制があるか: 県の予算や県議会との関係を踏まえた実現可能性があるか。
4. 過去の実績を検証できるか: これまでの県政運営や政策実現の成果が具体的に示されているか。
有名な言葉を再び掲げることは、政治家としての発信力を高める効果があります。しかし、キャッチフレーズの知名度と政策の実現力は同じではありません。
2007年の東国原県政を知る人にとっては懐かしさがあり、当時を知らない世代にとっては新しい政治メッセージとして受け取られる可能性もあります。
今回の知事選では、言葉のインパクトだけでなく、3人が提示する宮崎県の将来像を比較することが大切です。
【どげんかせんといかん】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「どげんかせんといかん」は標準語で何という意味?
「どうにかしなければならない」「何とかしないといけない」という意味です。問題を解決しなければならないという強い気持ちを表す方言です。
Q2:「どげんかせんといかん」は宮崎弁ですか?
広い意味では宮崎県で使われる方言に関係しますが、厳密には東国原氏の出身地である都城市の言葉に見られる薩隅方言の特徴を持っています。宮崎県内でも地域によって「どんげ」など異なる表現があります。
Q3:東国原英夫氏は2026年の宮崎県知事選に出馬するのですか?
はい。2026年4月9日に正式に出馬を表明しています。「どげんかせんといかんリターンズ」という言葉も披露しました。投票日は2026年12月27日です。
Q4:2007年の流行語大賞は誰が受賞しましたか?
「(宮崎を)どげんかせんといかん」の東国原英夫氏と、「ハニカミ王子」の石川遼氏が年間大賞を受賞しました。
Q5:「どげんかせんといかんリターンズ」は正式な政策名ですか?
東国原氏が2026年の知事選に向けて使っているキャッチフレーズです。公式政策サイトでも「どげんかせんといかん・リターンズ」として掲げられています。具体的な政策としては、経済力の向上や製造業振興などが示されています。
「どげんかせんといかん」は、「どうにかしなければならない」という意味を持つ薩隅方言の特徴的な表現です。
2007年、東国原英夫氏が宮崎県知事選で掲げたことで全国的に知られ、同年のユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞を受賞しました。
そして2026年、東国原氏は「どげんかせんといかんリターンズ」を掲げ、宮崎県知事選への3度目の挑戦を始めています。
対するのは、5期目を目指す現職の河野俊嗣氏と、県議会で3期12年の経験を持つ右松隆央氏です。
2026年12月27日の投票で問われるのは、宮崎県の未来を誰に託すのかという選択です。
2007年の流行語が再び脚光を浴びる一方、今度は言葉の勢いだけでなく、具体的な政策と実行力が問われます。
「どげんかせんといかん」という一言が、宮崎県の次の時代を切り開く政治的なメッセージになるのか。その行方に注目が集まっています。
主な確認資料: 宮崎県選挙管理委員会、国立国語研究所、松永修氏の方言研究、宮崎県公式プロフィール、東国原氏・右松氏の公式政策資料、ORICON NEWS、MRT宮崎放送、FNNプライムオンライン、日刊スポーツ。