肺炎球菌CMを見る際に、もう一つ理解しておきたいのが、肺炎球菌感染症と一般的な肺炎は同じ意味ではないという点です。
肺炎は細菌やウイルスなど、さまざまな原因で発症します。その中でも肺炎球菌は、成人の肺炎の原因となる代表的な細菌の一つです。
肺炎球菌感染症とはどんな病気?肺炎球菌は、主に気道の分泌物に含まれ、咳やくしゃみなどによる飛沫を通じて感染します。
厚生労働省によると、高齢者の約5~10%では鼻や喉の奥に肺炎球菌が常在しているとされています。菌が増殖して下気道や血液中に侵入すると、肺炎だけでなく、気管支炎や敗血症などにつながる可能性もあります。
ワクチンで防げる範囲には限界がある肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による感染症の予防を目的としたものです。インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなど、別の病原体による肺炎まで一律に防ぐものではありません。
PCV20もすべての肺炎球菌の血清型を対象にしているわけではなく、20種類の血清型を対象としています。
そのため、接種すれば肺炎にならないという保証ではなく、重症化につながる感染症のリスクを減らすための予防手段の一つとして理解する必要があります。
接種を検討する際の判断基準特に次のような人は、医師に相談して接種の必要性を確認するとよいでしょう。
- 65歳を迎え、定期接種の案内が届いた人
- 心臓や腎臓、呼吸器などに基礎疾患がある人
- 過去に肺炎球菌ワクチンを接種したことがある人
- 免疫機能に関する治療を受けている人
- 家族に高齢者がいて、感染症予防について一緒に考えたい人
過去の接種歴や持病によって適切な接種時期は異なります。自己判断で追加接種を決めず、医療機関で相談してください。
なお、厚生労働省が紹介するPCV20の主な副反応には、注射部位の痛みや腫れ、筋肉痛、頭痛、疲労などがあります。接種前には医師から説明を受けることも大切です。
歴代CMから見える啓発活動の変化今回の出演者の変遷を振り返ると、啓発CMの役割が時代とともに変化していることが分かります。
2011年のファイザーによる子ども向けキャンペーンでは、保護者にワクチン接種の必要性を伝えることが中心でした。2014年には高齢者の定期接種制度が始まり、西田敏行さんのCMで新制度が紹介されました。その後、坂東玉三郎さん、段田安則さんが成人向け啓発活動に登場しています。
そして2026年の柳沢慎吾さんのCMでは、制度の周知に加え、65歳という限られた接種対象期間を具体的に意識させるメッセージが前面に出ています。
これらは別々の企業・キャンペーンによる活動ですが、著名人の知名度を公衆衛生の情報伝達に生かすという共通点があります。各社の当時の発表資料でも、対象世代やキャンペーンの目的が明確に分けられています。
【プロの結論】2026年の肺炎球菌CMで本当に注目すべき3つのポイント

今回の肺炎球菌CMを理解するために、最後に押さえておきたいポイントを整理します。
1つ目は、2026年の出演者が柳沢慎吾さんであること。
ファイザーが起用した理由の一つは、柳沢さん自身が2026年度に65歳を迎える世代だからです。視聴者と同じ年代の著名人が制度を伝えることで、接種を自分の問題として考えるきっかけになります。
2つ目は、歴代出演者を同じCMシリーズとして混同しないこと。
西田敏行さん、坂東玉三郎さん、段田安則さんはMSDの成人向け肺炎予防啓発活動に出演。一方、青木さやかさんと坂下千里子さんは、ファイザーの子ども向け肺炎球菌ワクチン啓発CMに出演しました。
3つ目は、2026年4月から定期接種のワクチンが変更されたこと。
従来のPPSV23からPCV20への変更は、2026年の大きな制度上のポイントです。CMを見て接種に関心を持った人は、出演者や広告の印象だけで判断せず、自分の年齢、接種歴、自治体の案内を確認することが大切です。
【肺炎球菌のCM出演者】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の肺炎球菌CMに出演している俳優は誰ですか?
A1:柳沢慎吾さんです。ファイザーの新CM「65歳になったら」篇に出演し、2026年4月1日から全国で放映されています。
Q2:肺炎球菌CMに出演した歴代の芸能人は誰ですか?
A2:成人向けでは西田敏行さん、坂東玉三郎さん、段田安則さんなどがいます。子ども向けのファイザーの啓発CMには青木さやかさんと坂下千里子さんが出演しました。
Q3:柳沢慎吾さんのCMはファイザーのCMですか?
A3:はい。ファイザー株式会社が実施する肺炎球菌感染症の予防啓発キャンペーンです。柳沢さんはアンバサダーとして起用され、2026年4月1日から新CMが全国放映されています。
Q4:65歳になったら肺炎球菌ワクチンを無料で受けられますか?
A4:定期接種の対象者には自治体による公費助成がありますが、必ずしも全額無料とは限りません。自己負担額や助成内容は市区町村によって異なるため、自治体の案内を確認してください。
Q5:2026年4月から肺炎球菌ワクチンは何に変わりましたか?
A5:高齢者向けの定期接種で使用するワクチンが、従来のPPSV23からPCV20(20価肺炎球菌結合型ワクチン)に変更されました。
2026年の肺炎球菌CMに出演しているのは、俳優・タレントの柳沢慎吾さんです。ファイザーの予防啓発キャンペーンのアンバサダーとして、2026年4月1日から全国放映のCMに登場しています。
歴代の出演者には、西田敏行さん、坂東玉三郎さん、段田安則さんのほか、子ども向けCMに出演した青木さやかさん、坂下千里子さんがいます。それぞれ起用企業や対象世代が異なる点が重要です。
また、2026年4月からは65歳を対象とする肺炎球菌ワクチンの定期接種がPCV20に変更されました。柳沢さんのCMは、この制度を広く知らせる役割を担っています。
CMをきっかけに関心を持った人は、65歳の接種対象期間や自治体の助成制度、過去の接種歴を確認しておきましょう。肺炎予防を考えるうえでは、正しい制度の理解と医療機関への相談が大切です。